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2008,04,10, Thursday
パワーリザーブ機能
author : アペルトウェーブ
腕時計をしていてつい自動巻でゼンマイの巻き不足の為にいつの間にか時計が止まっているじゃん何て思う事が結構ありますね。特にデスクワークなどの仕事などはどうしても腕を振る機会がないので時計が止まってしまうってことになりますね。
そこで車のように燃料系みたいに残りの残量が分かると便利ですよね。それが機械式時計で言うとパワーリザーブのインジケーターです。

このパワーリザーブのインジケーターは、機械式時計での特有の仕組みで一目でゼンマイの残量が分かる訳です。これは機械式時計のスペックの説明の中に「パワーリザーブ44時間」とか書いてあると思いますが、これは「主ゼンマイを完全に巻き上げた状態で放置すると、44時間は動き続けますよ」という意味ですので、この時計の主ゼンマイは、時計を連続して44時間動かし続けるだけのパワーを蓄えることができるものですから、クォーツ時計などでは「パワーリザーブ」とは言わないで、持続年数が電池寿命として表示されていますね。

機械式時計は、ゼンマイの解ける力が動力源ですので、ここで「主ゼンマイ」と呼ぶのは、もう一つのゼンマイ、すなわちテンプに付随する「ひげゼンマイ」と区別するためで、英語でもメイン・スプリングと呼びます。この主ゼンマイはリューズを回したり、自動巻きの場合はローターの回転によって巻き上げられます。いったん巻き上げられた主ゼンマイが、今度は反対に解けて元の状態に戻ろうとする力が歯車を回す動力になって、パワーリザーブが44時間なら、44時間経過すると主ゼンマイが解け切ってエネルギーがゼロに近づき、時計が停止します。これがパワーリザーブの原理でありますね。
主ゼンマイがどの程度巻き上げられているかは、ふつうは外部からは確認できませんので、それを文字盤に表示するのが「パワーリザーブ・インジケーター」という機構でです。車のガソリンメーターとよく似ていますね。古典的なパワーリザーブインジケーターといえば、18世紀末にアブラアン-ルイ・ブレゲが製作した「ブレゲ No.5」のものが有名でありますね。扇型の目盛りを移動する針を見れば、主ゼンマイのパワーリザーブ量、逆に言えば残りの持続時間を確認できるわけですが、主ゼンマイの巻き上げ量が残り少なくなってくると、パワーが低下して精度が確保できなくなって多少進んだり遅れたりして精度が不安定になります。そこで、使用者に巻き上げを警告するという役割も、パワーリザーブ・インジケーターが意味を成していると言えます。
パワーリザーブは、この主ゼンマイを収納する「香箱」のサイズや主ゼンマイの最適な長さなどの諸条件があり、40時間から50時間が一般的ですが、香箱を二つ用いる「ツインバレル」だとさらに70時間以上のパワーリザーブが得られるます。2000年以降は、香箱の数をさらに増やしたり、単体の大型香箱を用いて7日間や8日間という、画期的なロング・パワーリザーブを実現したモデルも続々と登場して来ていますが、腕時計サイズの機械式ムーブメントではこの1週間パワーリザーブが限界と考えられていたところに、何と2007年のバーゼルフェアにて、ランゲ・アンド・ゾーネが31日間パワーリザーブというとんでもないモデルを発表して周囲を驚かせましたね。
そしてパワーリザーブ・インジケーターのデザインもさまざまですが、文字盤に扇形のインジケーターを配したクラシックなものから、円形のサブダイヤルにデザインしたもの、さらに凝ったものになると、垂直ないし水平方向に直線的に表示されるものまであります。インジケーターに時間数や日数の目盛りがあるのが普通ですが、ないタイプのものもあります。またインジケーターの残量が終わり近くの目盛りを赤で強調しているのは、先に述べた「警告」のためにあります。また、パワーリザーブ・インジケーターは、つねに文字盤上に置かれているとは限らず、ムーブメントの香箱上や香箱付近に直接取り付けたタイプのモデルもあります。これらは、裏面も見てシースルーバックから目にすることができるようになっています。
パワーリザーブ・インジケーターの針を動かすには、香箱と連動させる精巧な減速機構が必要になりますので、8日巻きモデルだと針が1日で移動するのは約1mm程度になりますが、たんなる文字盤のデザイン的な要素ではありませんので、本当に精工に作られていることからインジケーターが複雑機能に分類されるんですね。


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